理学療法

足関節底屈制限の原因となる第3腓骨筋の評価、治療

三好 裕也

日本の理学療法士・ピラティスインストラクター。藤沢市の整体ピラティスサロン「Miyoshi整体サロン」を運営。YouTube登録者8万人突破! →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

こんにちは、三好です。

 

今回は足関節底屈制限の改善について書いていきます。

 

僕の書いているこの記事が足関節の底屈制限の改善で悩んでいる人、第3腓骨筋の評価、治療で悩んでいる人の気づきに少しでも繋がれば嬉しいです!

 

足関節の底屈制限の原因

 

 

主に足関節の底屈制限の原因となる筋肉を確認します。

 

[box class="blue_box" title="足関節底屈制限の原因となる筋肉"]

左から

  • 第3腓骨筋
  • 長趾伸筋
  • 長母趾伸筋
  • 前脛骨筋

[/box]

 

主に足関節の前面にある筋肉が足関節の底屈制限に関わります。

 

足関節底屈制限を改善する時には、上記の筋肉走行を確認して、1つ1つ触診できるようにしておく事が大事です。

 

足関節関節底屈制限の原因となる第3腓骨筋の評価

 

第3腓骨筋の走行を確認

 

第3腓骨筋は腓骨の中間から第5中足骨まで走行します。

 

上記の画像では短腓骨筋を消していますので、本来であれば第3腓骨筋の上部は短腓骨筋と重なります。

 

 

あとは伸筋支帯とも触れている事もチェックしておきたいポイントです。

 

第3腓骨筋と隣り合う組織を確認しておく

 

第3腓骨筋の評価のポイントとして押さえておくと良いのが、第3腓骨筋と隣り合う組織は何か?というところです。

 

第3腓骨筋が隣り合う組織と癒着していることによって足関節底屈制限が生じている事が頻繁にあります。

 

隣り合う組織との癒着を剥がすことによって足関節の底屈制限の改善につなげる事ができる場合が多いです。

 

[aside type="normal"]

第3腓骨筋と隣り合う組織はいくつかあります。

  • 短腓骨筋
  • 長趾伸筋
  • 短趾伸筋
  • 伸筋支帯
  • 脛腓靱帯

[/aside]

 

これらの組織との癒着がないかを確認しておく事が足関節底屈制限を改善するポイントとなります。

 

 

短趾伸筋と伸筋支帯を青くしています。

 

こういった組織と組織が重なっている部分は癒着し硬くなりやすい部分ですのでチェックしておきましょう。

 

第3腓骨筋を触診方法を動画で解説

 

各組織の位置関係がわかったら、触診して確認していきましょう。触診についてはわかりにくいと思いますので、動画にて解説します。

 

 

 

第3腓骨筋の足関節底屈最終域での伸張感を確認する

 

第3腓骨筋が最終域で伸張感が高まり、張ってくるかどうか確認しましょう。

 

触診しながら、第3腓骨筋の緊張の程度を見て判断します。これには指先の感覚がかなり大事になります。わかりやすくするためのポイントは左右差を見ることです。制限因子となっていない組織の場合全く緊張が高まってきません。健側と患側の違いをみてみましょう。

 

 

足関節底屈制限の原因となる第3腓骨筋の治療方法

 

第3腓骨筋の治療方法は、簡単に言うと筋自体をよく動かしてあげる事です。

 

筋の動きをよく出してあげて足関節底屈最終域でも筋が突っ張らない状態にしてあげましょう。

 

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そのための治療手段がこちら。

  • 硬さを改善する筋膜リリース
  • 癒着を改善するように筋を動かす
  • スタティックストレッチで筋短縮を改善する
  • 筋収縮を促して滑走性を改善する

[/voice]

 

こんな流れで治療してあげると可動域改善に繋がりやすいです。

 

順に解説していきます。

 

第3腓骨筋の硬さを改善する筋膜リリース

 

第3腓骨筋の硬さを触診で確認できたら、筋膜リリースで改善していきましょう。

 

[aside type="normal"]

ここでちょっと細かい話をすると、触診して筋が硬いのがわかったら、筋線維が硬いのか、筋膜が硬いのかといったところも考えていけると更に深く評価できるようになります。このあたりの話は解剖学を勉強していくと理解できるようになっていきます。

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筋膜に対してアプローチしていく時は、筋を触診したら少し押し込んで、皮膚が軽く伸ばされる程度の強さで押圧します。押圧したまま30秒程度キープしてください。時間をかけると筋膜が緩むのを確認できると思います。

 

第3腓骨筋の癒着を剥がすように動かす

 

第3腓骨筋を触診して、筋自体が動きにくくなっている場合周囲の組織と癒着している可能性が高いです。

 

その場合は第3腓骨筋を持って筋繊維に垂直方向に動かすようにしてあげてください。これも言葉だけだとわかりにくいと思いますので、動画で解説します。

 

 

スタティックストレッチで筋短縮を改善する

 

第3腓骨筋の作用は、足関節の背屈と外反です。作用と反対の足関節底屈、内反方向に足関節を動かしてストレッチしていきます。

 

スタティックストレッチは、30秒から60秒かけると効果的です。30秒だと時間が結構長く感じることもあり、患者さんも不快に感じることもあります。

 

僕のおすすめは10秒を3セットに分けて、合計30秒としてストレッチしていく方法です。この方法で時間をかけてストレッチすることで十分効果を実感しています。

 

第3腓骨筋の筋収縮を促して滑走性を改善する

 

最後に第3腓骨筋の筋収縮を促して滑走性を改善していきましょう。

 

癒着がしっかり剥がれて入れば、単純に筋収縮を入れていくだけでも滑走性が改善されます。

 

僕のおすすめは、足関節背屈、外反方向に運動してもらう時に第3腓骨筋を掴んでおくようにします。掴んだ状態で筋収縮を入れることで、筋収縮をした時に硬い部位の癒着が剥がれやすくなります。

 

この方法は他の部位でも応用できますので試してみてください。

 

まとめ

 

足関節底屈制限の原因となる第3腓骨筋の評価、治療について簡単に解説しました。

 

底屈制限改善のための内容をまとめると、

 

  • まずは、第3腓骨筋の触診ができるように
  • 第3腓骨筋だけでなく周囲の組織も確認しておく
  • 周囲の組織と重なる部位は硬くなりやすいので必ずチェックする
  • 筋自体の硬さ、周囲組織との癒着、最終域での伸張感が確認できたら治療へ
  • 筋膜リリース、癒着を剥がす、ストレッチ、筋収縮といった流れで治療
  • 筋膜リリース、ストレッチは時間が大事
  • 30秒から60秒を目安に行って治療効果を見てみる

 

今回は、第3腓骨筋について解説しました!

 

最後まで読んで頂きありがとうございます!

 

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