理学療法

痛み・疼痛評価で悩んでいませんか?疼痛評価の手順、原因の特定方法を解説します!

三好 裕也

理学療法士・整体師・ピラティスインストラクター。藤沢市「Miyoshi整体サロン」代表。痛みやコリ、関節可動域改善が専門です^^ →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

こんにちは、みよし(@yuyampt)です。

今回は、またまた理学療法士学生さん向けに記事を書きました。

最近、学生の頃自分が困っていたことってなんだったかなーって思い返してみるようにしています。

今回は困っていたことの1つ、疼痛評価について解説します。

疼痛評価って結構難しいですよね。

僕も学生の頃は疼痛評価がよくわからずに困っていました、、、。

理学療法士として働いている今となっては、疼痛治療がめちゃ好きな分野なので疼痛評価は得意分野としています。

理学療法士として経験してきたことを学生さんにも使えるように紹介しますので、「疼痛評価が苦手!」という場合は参考にしてみてくださいね^^

それでは解説していきます!

[box class="blue_box" title="この記事から得られること!"]

  1. 疼痛評価の手順がわかる!
  2. 疼痛評価でどこをみておけば良いのかわかる!
  3. 痛みの原因を特定できるようになる!

[/box]

こんな事が得られる内容になっています^^

ざっくり8分の動画で概要をまとめました↑

疼痛評価の手順

オリエンテーション

まずは疼痛評価に入る前にオリエンテーション。

ここで『これから担当する患者さんは何を求めているのか?』を考えてみてください。

患者さんは『一刻も早く痛みを改善してほしい!!!』って気持ちでリハビリに来ているはずです。

なので、まずは『その気持ちを理解している』ということを伝えておくと患者さんと良い関係が作りやすくなると思います。

例えば、変形性膝関節症で痛みに悩んでいる方の場合。

「今まで膝の痛みで生活するのが辛かったですよね。」

「今回は◯◯さんの膝の痛みを良くするために、どこが原因で痛みが出ているのかを検査していきますね。」

「いろいろと質問させてもらいますが、ゆっくりでいいので答えて頂けますか?」

といった感じで聞いてみるといいのかなと思います!

痛みに対する共感を示して、それからオリエンテーションに入っていくという流れにすることで、「この人は自分の立場をわかってくれているから安心できそうだな」と患者さんに安心感を持ってもらえると思います。

問診で聞くこと

問診で聞いておくと良いことをまとめておきますね。

僕の場合、問診と触診、動作時痛の評価を一緒にやりますが、はじめは問診だけに絞ってやっていく方が簡単だと思います。

問診でざっくり聞いて、そのあとの評価でさらに掘り下げていくイメージですね。

[box class="blue_box" title="問診で聞くこと"]

  1. どこが痛い?
  2. どんな時に痛い?
  3. (いつ?どこで?どんなことをした時?)
  4. 特定の場所が痛む?痛むところが変わる?
  5. 圧痛はある?

[/box]

順に解説していきますね!

どこが痛いのか

まず、どこが痛いのか?を聞いてみてください。

例えば、膝が痛い患者さんの場合「膝が痛いんだよねぇ」ってざっくり答える事が多いですw

でも、ここで膝が痛いで終わらせてしまっては原因が特定できませんwwもっと掘り下げていきましょう!

膝のどこが痛いのかを聞きます。内側?外側?上?下?

患者さんは「うーん、内側かなぁ」って感じで答えてくれたとしたら、さらに掘り下げてください。

内側だったら、内側のどこかですね。それによって膝関節の内側に位置するどの組織が痛いのかがわかってくるので、細かく聞いて特定していくと良いですよ^^

ただ、痛みが強い患者さんは自分でもどこが痛いのかよくわからなくなっている場合が多いので、わかりにくくなっていることを前提として優しく聞いてあげてくださいね。

いつ痛いのか

どこが痛いのかと合わせて聞いちゃってもいいんですが、どんな時に痛いのかも聞いていきましょう。

夜?朝?昼間動いている時?ってところですね。

これを聞くと自然と、「朝起きてベッドから足を下ろす時にここが痛むんだよねぇ」とか具体的に答えが返ってくることが多いです。

安静時から痛いのか、運動時に痛いのか

じっとしていても痛いのか、身体を動かした時に痛いのかを聞いていきましょ。

安静時から痛い場合は、急性炎症で痛いか、精神疾患が関与している場合が多いです。この場合はRICE処置や時間の経過、認知行動療法などが必要になります。

身体を動かした時に痛い場合は、筋性、関節性など組織の影響で痛みが出ている場合が多いのでこちらは一般的な理学療法で改善する事が可能な事が多いです。

運動時の痛みを掘り下げよう

運動をした時に痛いってことをさらに掘り下げておくと良いですよ。

運動って言ってもいろんな運動がありますからね。

例えば、膝の上が痛い場合、膝の内側がどの運動をした時に痛いのか。

膝を伸ばした時?膝を曲げた時?

伸ばした時に膝の上が痛い場合は、大腿四頭筋の柔軟性低下、癒着、膝蓋上嚢との癒着、パテラとの癒着あたりが考えられます。

曲げた時に痛い場合は、大腿四頭筋の短縮、柔軟性低下あたりですね。

どのくらい伸ばした時?どのくらい曲げた時?

どんどん細かくなっていきますが、どの程度なのか?というところも大事です。

結局、いかに細かく考えられるかという事が大事なんですよね。

最終屈曲時に痛いなら組織が伸張された時に痛みが出ている可能性が高いですよね。

この時に考えられるのは、大腿四頭筋の伸張痛だけではなく、皮膚、膝蓋上嚢、筋肉間の癒着部分の伸張痛の可能性もあります。

他動運動時?自動運動時?どっちも?

他動運動時に痛いのか、自動運動時に痛いのかによっても原因が特定できます。

他動運動時に痛い場合は組織の伸張痛の可能性が高いですね。

自動運動時に痛い場合は筋の収縮時痛です。

他動、自動どちらも痛い場合は、メンタル的な要素も考慮しましょ。

まだまだあるよ。痛みの評価方法

特定の場所が痛い?痛いところが変わる?

特定の場所が痛いのか?痛いところが変わるのか?を評価しておきましょう。

痛いところが変わらない場合は、筋、関節、靭帯、脂肪組織などの結合組織が原因で痛みが出ている可能性が高いので、徒手療法や物理療法で改善する事が可能です。

痛いところがあちこちに移動する場合は、メンタル的な部分が関与している場合が多いので、そもそも組織に対する治療が必要ない場合が多いです。

実はその方の認知、痛みに対する捉え方を変えてあげれば治ってしまうことも少なくないんですよ。

圧痛はある?

圧痛があるかどうかもみておきましょ。

圧痛があるということは、押した部位の組織が原因となっている可能性が高いです。

簡単な流れは、組織を押す→組織の疼痛感知センサーが反応→痛み刺激を脳に送る

例えば、膝の内側が痛い場合。

パテラの内側には内側膝蓋支帯や鵞足がありますね。

パテラのすぐ内側を押して痛いなら内側膝蓋支帯が痛みを引き起こしている可能性が高いですし、さらに内側を押して痛いなら縫工筋や薄筋、半腱様筋、半膜様筋が原因となっている可能性があります。

圧痛がある場合は、その組織の柔軟性を改善して疼痛閾値(どの程度の刺激で痛みを感じるか)をあげてあげればいいので疼痛は改善しやすいと思います。

解剖学の知識をつけておこう

こんな感じで疼痛評価を深めていくためには、解剖学の知識が重要です。

圧痛を調べるにも、解剖学の知識があって、組織がどう位置しているのかを把握できて初めて評価できます。

逆に解剖学の知識と触診のスキルがあれば疼痛評価も簡単にできちゃうんですよね。

つくづく解剖学と触診は大事だと感じています、、、。

疼痛評価に役立つアプリ

僕がこれまで疼痛評価をする上でめちゃ役に立ったアプリを紹介しますね。

ヒューマン・アナトミー・アトラス。

このアプリはマジで神です!

これ持っておけば解剖の教科書必要ないんじゃね?って思うくらい良いものなので、ぜひダウンロードしてみてくださいね。

まとめ

今回は、学生の時に苦戦しがちな疼痛評価の方法について書きました。

疼痛評価ってチェックする事が多いから難しいですよね。

チェックしておくべき大事なところをまとめておきますね!

[box class="blue_box" title="疼痛評価まとめ"]

  • どこが、いつ、どんな時に痛いか
  • 痛い場所は具体的に掘り下げる
  • 運動時痛もどの程度の関節運動か、他動か自動かなど具体的に掘り下げる
  • 解剖学、触診の知識、スキルを磨くと疼痛評価もうまくなる

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まずはこんなところを頭に置いて評価するようにしていくと良いと思います!

今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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三好 裕也

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