理学療法士の三好です。今回は、代表的な不良姿勢の猫背、平背姿勢、そり腰、スウェイバックの改善方法を紹介します。こういった姿勢が原因で肩こりや腰痛が生じている人はとても多いです。肩こりや腰痛といった痛みを感じている方や、なんとなく自分の姿勢は悪いんじゃないか?と感じている方!
自宅でできる簡単な運動を紹介していきますので、ぜひ実践してシャキッとしたカッコいイイ姿勢へ!身も心もシャキッとして肩こり、腰痛知らずのカラダ作りをしていきましょう!
理想的な姿勢とは?
さて、まずは良い姿勢ってどんな姿勢?ってところから確認していきましょう!オードリーの春日さんみたいな姿勢をイメージする方が多いんじゃないでしょうか?
良い姿勢にはちゃんと指標があります。
良い姿勢の指標はこれ!
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
- 耳の後ろ(乳様突起)
- 肩(肩峰)
- お尻の横の出っ張り(大転子)
- 膝のお皿の後ろ(膝蓋骨の後面)
- くるぶしの前(外顆の前面)
カラダを横から見たときにこの5つのポイントを一直線に揃えるように意識して姿勢を作ることが大事になります。
なぜこの姿勢が良いの?
なんで良いのかって、簡単に言うと骨が綺麗に整うからです。骨を縦に綺麗に並べればバランスが取りやすいです。ジェンガと同じイメージです。
一番筋肉に負担がかかりにくい
骨が縦に綺麗に整っていないとバランスを取るために筋肉が余計に働かなくてはならなくなります。だから骨が綺麗に並ぶように姿勢を整えてあげたほうが筋肉に負担がかからないんです。
結果、肩こりとか腰痛といった筋肉が原因で起こる不調が起こりにくくなります。
さて、次は不良姿勢についてです。
不良姿勢とは?
不良姿勢とは、上にあげた骨の指標が綺麗に整っていない状態です。筋肉に余計に負担がかかる姿勢になっているわけですが、不良姿勢にはいくつかパターンがあります。不良姿勢の種類について確認していきましょう。
不良姿勢の種類
- 円背、頭部前方変位姿勢
- 腰椎前弯姿勢
- 平背姿勢
- 凹円背、スウェイバック
この4つがよくある不良姿勢です。それぞれ特徴を確認していきましょう!
不良姿勢を引き起こす筋肉の問題とは?
姿勢の特徴の前に筋肉について学んでおきましょう。
筋肉の短縮
筋肉の短縮とは、筋肉が短くなっている状態です。
筋肉はゴムのように伸び縮みするようにできています。ゴムが短く、硬くなってしまうと伸びることができなくなってしまいますよね?そんなことが筋肉にも起こるんです。
筋肉は伸び縮みすることで骨を動かしますが、人によって筋肉の使い方にクセが出てきます。ある筋肉に力が入りやすい人はその筋肉を縮ませて使っていることが多いので、筋肉が短くなります。
そうすると、筋肉が短く、硬くなっているのでその筋肉が機能しにくくなるんです。
筋肉が伸びている状態
筋肉の短縮の反対で、筋肉が長くなっている状態もあります。
筋肉が長くなっていると、筋力を発揮しにくくなります。初めからビヨーンて伸びきったゴムが縮みにくくなるのと同じです。
筋肉のアンバランスが不良姿勢を起こす
どの筋肉が短い、長いのかは人によって特徴があります。その特徴別に姿勢を改善するための運動を行い筋肉のアンバランスを改善していくことができます。
姿勢の特徴を知って、改善に効果のある運動を知り実行することで姿勢が改善されていきますよ。
まずは、腰痛予防、改善に効果的な腹横筋のエクササイズをやってみよう!
自宅で簡単3分でできる腹横筋エクササイズ!
猫背(円背・頭部前方変位姿勢)の特徴
上位交叉症候群
背中が丸まっていて、頭が前に出ている姿勢で筋バランスが崩れている状態のことを上位交叉症候群と言います。
首の後ろと胸の筋肉が短く、首の前と肩の後ろの筋肉が長くなって、極端な筋バランスになっているのが特徴です。
- 後頭下筋群、僧帽筋上部線維の短縮
- 大胸筋、小胸筋、斜角筋、胸鎖乳突筋の短縮
- 頭長筋、頸長筋、前頭直筋、外側頭直筋が長くなっている
- 僧帽筋中部、下部、菱形筋が長くなっている
首の後ろの筋肉が短くなっている(後頭下筋群、僧帽筋上部線維の短縮)
- 左は僧帽筋
- 右は後頭下筋群
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
この辺りの首の後ろの筋肉が短くなっていると、あごが前に出て背中が丸まった姿勢になります。試しに顎を引いて首の後ろを長くするように意識して見てください。それだけで良い姿勢に変わりますよ。
胸の前の筋肉が短くなっている(大胸筋、小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋の短縮)
- 左は大胸筋
- 右は小胸筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
胸の前の筋肉が短くなると肩が前に出て背中が丸くなったように見えます。肩が前に出ている人は胸を開いて張るようにすると良い姿勢に近づきます。
首の前の筋肉が長くなっている(頭長筋、頸長筋、前頭直筋、外側頭直筋)
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
肩の後ろの筋肉が長くなっている(僧帽筋中部、下部線維、菱形筋)
- 左は僧帽筋
- 右は菱形筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
猫背(円背・頭部前方変位姿勢)に効果的な運動、エクササイズ
首の前の筋肉を鍛えるエクササイズ(椎前筋の筋力トレーニング)
肩甲骨周囲筋の筋力アップエクササイズ(僧帽筋中部、下部、菱形筋)
四つ這いで脊柱、四肢を伸ばす筋肉の筋力アップエクササイズ
そり腰(腰椎前弯姿勢)の特徴
下位交叉症候群
お腹の前、お尻が伸びていて、腰が過剰に沿ってしまっている姿勢です。
- 脊柱起立筋、多裂筋の短縮
- 腸腰筋、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維の短縮
- 腹直筋、腹斜筋が伸びている
- 臀筋群、ハムストリングスが伸びている
腰が沿っている(脊柱起立筋、多裂筋が短縮)
- 左は脊柱起立筋群
- 右は多裂筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
脊柱起立筋、多裂筋とは背中に伸びている筋肉で腰をそらせるときに働きます。この筋肉が短くなっていると普段から腰が反ったような姿勢になります。
股関節の前の筋肉が短い(腸腰筋、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維が短縮)
- 左は腸腰筋
- 右は左から大腿筋膜張筋、大腿直筋、縫工筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
股関節の前にある筋肉が短くなっていると、上半身が筋肉に引っ張られて前に倒れたような姿勢になります。お尻が出っ張っているように見えるような姿勢です。
お腹の筋肉が伸びている(腹直筋、腹斜筋が長くなっている)
- 左から腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
お腹周りの筋肉が弱く、伸びてしまっているとお腹が引き締められないので腰が反ってきてしまいます。お腹周りの筋肉を鍛えてお腹を引き締めてあげることが大事です。
お尻の筋肉が伸びている(臀筋群、ハムストリングスが長くなっている)
- 左はハムストリングス
- 右は大殿筋
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
お尻の筋肉が長くなっている場合、腰がそりお尻を突き出したような姿勢になります。
そり腰(腰椎前弯姿勢)に有効なエクササイズ
腹筋、お尻の筋力強化と、背骨周りの柔軟性を向上させるエクササイズが有効!
腹筋の筋力向上エクササイズ
脊柱の柔軟性向上エクササイズ
腹部筋力向上と股関節柔軟性向上エクササイズ
平背姿勢(フラットバック)の特徴
- 脊柱の柔軟性低下
- 腹直筋の短縮、ハムストリングスの短縮
- 脊柱起立筋が長い
- 股関節屈筋群が長い
- 股関節周囲筋の機能低下
男性に多い姿勢です。背骨周りが硬く柔軟性が低下しています。太ももの後ろの筋肉も硬い状態になっています。床に足を投げ出して座り膝を伸ばそうとすると、ももの後ろが突っ張って伸ばしきれない位筋肉が硬くなっています。背骨周りが硬いと腰痛が起きやすくなりますので、ぜひエクササイズをやって柔軟性を向上させていきましょう。
背骨を柔らかくする、脊柱柔軟性向上エクササイズ
股関節周囲筋の筋力向上エクササイズ
姿勢改善にはピラティスがオススメ!
上で紹介したエクササイズはピラティスで良く使われるエクササイズです。不良姿勢に対して姿勢を改善することを一つの目的として考えられたエクササイズなので効果は抜群です!
ピラティスを始めると、自分の身体がどのように歪んでいるのかが理解できるようになります。日頃から自分の姿勢をチェックするようになり、自然と良い姿勢を保つことが習慣になります。
筋トレをするだけで姿勢が綺麗でなければ良いスタイルを保てません。良い姿勢を理解し、効果的なエクササイズ、筋力トレーニングを行っていくことで魅力的な身体作りができるようになります!
気になった方は是非ピラティスを始めてみてください^^
ピラティスを始めるなら
[btn class="big lightning"]
[/btn]