こんにちは、三好です。僕は病院で理学療法士として働いておりますが、ピラティスインストラクターの資格を持っています。ピラティスは、腹筋の使い方を学ぶのにとても効果的な運動です。
理学療法士をしていて感じたことは、患者さんの中には腹筋が弱く、使い方がそもそもわからないという人が多いということです。腹筋が弱くて使えていないので腰が痛くなりやすくなっている方も多いです。今回はそういった方のために、腹筋の正しい使い方、腰痛予防の方法をお伝えしようと思います。
腹筋の概要
[voice icon="https://pt-beyourself.com/wp-content/uploads/2018/07/IMG_5819.jpg" name="MIYOSHI" type="l"]
まずは、ここから
- 腹筋の構造
- 腹直筋、腹斜筋、腹横筋について
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腹筋の構造
[box class="blue_box" title="腹筋は、4つに分けられます"]
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
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身体の外から見て、一番表面にあるのは、外腹斜筋、その次に腹直筋と内腹斜筋、その下に腹横筋があります。
それぞれどのような役割があるのか学んでいきましょう。
腹直筋
[box class="blue_box" title="腹直筋の基礎"]
- 起始 恥骨結合と恥骨結節との間
- 停止 第5〜第7肋軟骨、剣状突起の前面
- 作用 胸郭の前部を引き下げる、骨盤の前部を引き上げる。脊柱を前方に曲げる。
- 神経支配 肋間神経、腸骨下腹神経 T6、T7〜12
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専門用語を使ってしまっていますが、腹直筋が身体の骨のどこからどこに付くのか、身体のどのような動きに関わるのかといった基本的なところです。
腹直筋は、外腹斜筋の下にあり、骨盤の前に位置する恥骨という部分からついて胸の前にある骨の一番下の部分までついています。この筋肉が動くことによって肋骨や骨盤が引き下がったり、引き上がったりします。
外腹斜筋
[box class="blue_box" title="外腹斜筋の基本"]
- 起始 第5〜12肋骨の前面
- 停止 腱膜は腹直筋鞘の前葉に入って、白線に終わる。鼠径靭帯、恥骨稜、恥骨稜外唇
- 作用 肋骨の引き下げ、脊柱の前屈、骨盤の引き下げ、脊柱の同側側屈、対側への回旋、腹圧を高め、呼息を行う。
- 神経支配 肋間神経、腸骨下腹神経 T5〜L1
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肋骨の真ん中あたりからついて、おへそに向かって伸びている筋肉です。この筋肉が縮むことによって背骨を筋肉のついている側に曲げる事や反対側へ捻る動きができます。
内腹斜筋
[box class="blue_box" title="内腹斜筋の基本"]
- 起始 腰腱膜、腸骨稜前部の中間線、鼠径靭帯の外側部
- 停止 腱膜は2枚に分かれて腹直筋鞘の前後両葉に入り白線に終わる。第10〜12肋骨の下縁
- 作用 脊柱の同側側屈 腹圧を高めて、呼息をする。
- 神経支配 肋間神経 腸骨禍福神経、腸骨鼠径神経 T10〜L1
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内腹斜筋は骨盤の外側から肋骨の一番下までつきます。背骨を同じ方向に倒す時に働きます。息を吐く時に腹圧を高めるように働きます。
腹横筋
[box class="blue_box" title="腹横筋の基本"]
- 起始 第7〜12肋骨の内面、腰腱膜、腸骨稜前部の内唇、鼠径靭帯の外側部
- 停止 腹直筋鞘後葉、前葉から白線
- 作用 腹圧を高める。横隔膜を押し上げる。
- 神経支配 肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、陰部大腿神経 T5〜L2
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腹横筋は腰回りと肋骨、骨盤からついて、腹直筋につながります。主に腹圧を高めるのに作用します。息を吐く時にキュッとお腹を引き締めて、より呼吸を吐きやすくするように働きます。
[box class="green_box" title="腹筋の働きまとめ"]
- 背骨を前に曲げる、捻るときに働く
- 肋骨や骨盤を引き下げる、引き上がるときに働く
- 腹圧を高めて、息を吐く時に働く
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腹筋がうまく使えるようになると、背骨、骨盤のコントロール、呼吸のコントロールがうまくなります。
腹筋をうまく使うことができることのメリット
[voice icon="https://pt-beyourself.com/wp-content/uploads/2018/07/IMG_5819.jpg" name="みよし" type="l"]
- 姿勢改善、腰痛予防
- 肺活量アップ
- 起き上がりが楽に
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姿勢改善、腰痛予防
腹筋をうまく使うことができると、腰が反りすぎない綺麗な姿勢を保つことができるようになり腰痛の予防になります。
特に腰椎前弯姿勢、腰が反りがちの方は腹筋が弱くうまく使えていません。腹筋が弱いので腰が反り、腰の筋肉に負担がかかりやすい状態になっています。この姿勢で動作、作業をする時間が多くなることによって腰痛を引き起こします。
肺活量アップ
呼吸のコントロールにも関わりますので、肺活量アップにも繋がります。
特に息を吐くのに腹筋が弱いと強く吐くことができなくなります。声を大きく出したい、歌がうまくなりたいといった方にとっては息を吐く力を強くして発声をよくするためにも役立ちます。
起き上がりが行いやすくなる
腹筋が弱い方は、腹筋の力だけで寝たところから体を起こすことが難しくなります。これが20代の頃は自然とできるものですが、年齢を重ねてきて腹筋を使う習慣がないとこれができないくらい腹筋が弱くなってしまいます。
最近、起き上がるのがしんどい、、、といったことが思い当たる方は腹筋のエクササイズで眠った腹筋を目覚めさせてあげましょう!
腹筋がうまく使えない理由
[voice icon="https://pt-beyourself.com/wp-content/uploads/2018/07/IMG_5819.jpg" name="みよし" type="l"]
腹筋がうまく使えない理由はこちら。
- 背筋が強く働きすぎ
- 腹筋を使う習慣がない
- 骨盤コントロールができない
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背筋が強く働きすぎている
背筋が強く働きすぎていると腹筋がうまく使えなくなります。
腹筋は脊柱を曲げたり、ひねったりするときに働きます。反対に背筋は背骨を伸ばすことに働きます。反対の働きをするので背筋が働くときは、腹筋が緩んでいなければなりません。そうしないと背筋がうまく働けなくなるんです。
内臓脂肪が多いと腹筋が弱くなる原因となります。
腹筋の下には内臓があります。内臓に脂肪がついて重たくなったり、お腹周りに脂肪がついて重たくなると身体の前側が重くなって、背筋を伸ばす力が強く働かないと姿勢を保つことができなくなります。
内臓が重いと背筋をギューと強く働かないといけない状況となります。背筋が強く働いて緊張が高まると、相反抑制という働きによって腹筋の緊張が抑制されます。背筋の緊張を高めるために腹筋は弛緩し働きにくくなります。
腹筋が働きにくくなっている根本の原因はお腹周りや内臓の脂肪が増えてしまっていることも考えられるかもしれません。ただ、腹筋を使えるようにしていくエクササイズをすることで解消することは可能です。
腹筋を使う習慣がない
腹筋を使う習慣がないと腹筋の使い方がわからなくなります。
日常生活で特に腹筋を使うのは起き上がる事です。それ以外の動作では腹筋をしっかり使うことはあまりありません。常に腹筋は働いてはいるんですが、強くは働かないんです。
そのため、起き上がる時に腕を使って起き上がっている人は腹筋をしっかり使う機会はほとんどない状態です。毎日腹筋を使っていないので自然と使い方もわからなくなるし、筋力も落ちます。
骨盤のコントロール、動かし方がわからない
骨盤のコントロールができないと腹筋がうまく使えません。
腹筋が収縮することによって骨盤が動き、骨盤のコントロールは腹筋や背筋をバランスよく使うことでできるようになります。
腹筋や背筋の力の入れ方がわからない状態ではうまく骨盤が動かすことができません。逆に骨盤の動かし方がわかってくると、腹筋や背筋の使い方がわかってきます。
腹筋をうまく使えるようにするための運動、エクササイズ
[box class="red_box" title="腹筋をうまく使うエクササイズ"]
- 自分の骨盤を感じる
- 骨盤調整
- 腹筋を使うピラティスエクササイズ基本編
- ピラティスエクササイズ応用編
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自分の骨盤を感じる練習
腹筋の使い方がわかる骨盤のコントロール、動かし方
- 骨盤のコントロールのコツは背中の下の空間を空ける、なくすを意識することです。
- そうすると、自然と腹筋、背筋が働きます。