【肩関節屈曲可動域制限】筋性の制限因子の評価・治療方法


外来リハビリ大好きなPTです。今回、腱板断裂の患者さんを担当して、その方の可動域制限を改善することができたので、その評価と治療について書いていきたいと思います。同じように腱板損傷の患者さんを担当している新人のセラピストの方に向けて記事を書いていこうと思います。

腱板損傷した患者さんの肩関節可動域制限を改善する。

 

僕の担当した患者さんの肩関節屈曲の可動域はリハビリ開始時で60°でした。肩関節の屈曲に伴って肩甲骨が上腕骨についてきてしまい、過度に上方回旋してきている状態。肩関節の屈曲、外転に伴って肩の前面それから外側に痛みを感じている状態でした。

 

左右差を比べると、肩関節の前面それから外側の硬さは患側がかなり硬い状態で、表層から深層にかけて触診してすごく硬さがわかりやすい状態でした。

 

その方は、外来でリハビリ開始となったのですが、痛みを感じはじめてから、クリニックに受診するまで3カ月間期間があったそうです。3カ月間という長い期間、痛みを我慢しながら生活をされていたので、家事をしたり、日常生活を送っている中で、代償動作によるアウターマッスルでの過剰収縮、過緊張があったことが想像できました。

 

肩関節の可動域制限、どこから改善していくか?

 

今回の方の場合は、肩関節を屈曲、外転するときに三角筋の全部整理中部せいに痛みを感じていました。圧痛もあったため三角筋の過緊張により虚血がおきて、痛みを感じやすい状態になっていると仮定しました。まずは三角筋のリリースそ、れからホールドリラックスをすることからはじめて緊張を緩和し、虚血を改善することからはじめました。

 

そうすると、リリースと、マッサージ、ホールドリラックスをすることによって痛みは経験しました。痛みが軽減したことを考えると、この仮定は正しい方向であったのかなと考えました。

 

それと並行して肩関節の屈曲制限の原因となっている部位はどこなのかってところを評価していきました。ここで、肩関節屈曲制限の制限因子として考えられるところをおさらいしていきたいと思います。

 

 

肩関節屈曲の制限因子として考えられる筋といえば?

 

肩関節の屈曲は、上腕を上方にあげていく運動ですので、基本的には、肩関節より下にある組織が固くなっていると上にそこがてことなって上腕があげにくなるということが起きてきます。

 

肩関節の下に位置する筋肉はなんでしょうか?

 

肩甲骨の外側縁から上腕についている筋肉といえば、大円筋・小円筋。棘下窩から上腕についている棘下筋あたりが考えられます。広背筋もありますね。前方でいくと、肩甲下筋や大胸筋、小胸筋といった筋肉があります。

 

肩関節屈曲可動域の評価方法。

 

評価法として、自分が一番やりやすいと感じたのは、側臥位です。側臥位だと、肩甲骨の動きや筋の硬さ、伸張感を触診して、感じ取りながら、見ながらも評価することができるのでやりやすいと思います。自分の感覚として入ってくる情報量が増えるのでわかりやすいです。背臥位だと肩甲骨周りの触診をすることがなかなか難しいですし、座位だと抗重力筋の緊張の影響があり、評価が複雑になるので、はじめは即買いがお勧めです。

 

評価手順は、

  1. はじめは自動運動で肩関節の屈曲を行ってもらいます。
  2. 肩甲骨の動き、代償動作の有無を見ておきます。
  3. 次に他動運動です。自動運動の時との動きを比較しながら、肩関節を屈曲していきます。
  4. 肩甲骨を固定しながら、上腕を他動で動かしていき、筋の伸張感を確かめます。
  5. 最終域でどこを硬くなってくるのか、ハリ感が出てくるのかを触診で確認。
  6. 患者さんが痛みを感じる部位はどこなのか、ハリ感を感じるのはどこなのかを聞いておきます。

 

本来であれば肩甲骨を固定した状態でもある程度上腕は屈曲できます。でも、小円筋、大円筋、棘下筋の短縮がみられている場合、肩甲骨を固定した状態で上腕を屈曲することが難しくなります。上腕の動きに伴って肩甲骨がついてきてしまいます。健側と比べると肩甲骨がついてくるタイミングが早いことに気づくと思います。

 

このように、健側と比べるという事はすごく大事だと思います。患側ばかり見ていて硬さがあることに気づけなくても、健側を見ることによって硬さがあることに気づけることも多いです。触診してよくわからなければ、健側を見てみて比較してみるといいです。

 

肩関節屈曲可動域制限の治療方法。

 

評価ができたら、そこに対する治療ですね。

 

  1. 硬さのある筋をまず緩めます。硬い部分をグリグリ押してあげることと、しっかり筋同士の癒着を剥がしてあげます。
  2. 持続ストレッチをかけます。肩甲骨をしっかり固定した状態で上腕を他動で屈曲していきます。
  3. 最終域あたりでもう一歩踏み込んだところかつ、患者さんが伸張感を感じるところで30秒キープ、それを3セット行います。

 

今回のアプローチのポイントは、しっかりと肩甲骨を固定した状態で行うことです。肩甲骨と上腕をしっかり離すようにしないと筋が伸張されないのでしっかりと肩甲骨を押さえてあげましょう。この作業さえしっかりできれば、確実に可動域は改善されると思います。

 

この方法で、現在の可動域は60°→100°まで改善しています。可動域が改善されたら、筋出力アップ目的の訓練も合わせて行なっていきましょう。自動であげられるようにしないと活動面に反映できないですもんね。

 

こんな感じで、筋性の制限に対しては改善を認めました。肩関節の屈曲制限のある方を担当している方は、この辺りをチェックしてみてはいかがでしょうか。