パーキンソン病すくみ足のメカニズムと対処法


こんにちは、三好です。

 

今回は、パーキンソン病のすくみ足について解説していきます。

 

この記事がおすすめな人
  • すくみ足のメカニズムについて知りたい
  • すくみ足に対するアプローチで困っている
  • すくみ足の対処方法が知りたい

 

上記に対する解決策を主に書いていますので、当てはまる方は読み進めていただければと思います。

 

それでは解説していきます。

 

パーキンソン病すくみ足のメカニズム

 

 

パーキンソン病のすくみ足のメカニズムは4つ提唱されています。

 

  • 閾値モデル
  • 干渉モデル
  • 認知モデル
  • 分離モデル

 

順に解説します。

 

閾値モデル

 

閾値モデルは歩行中の歩幅の低下、ケイデンスの上昇が蓄積されて一定の限界点を超えると生じます。

 

歩行訓練中に歩行時間が長くなってくると、徐々に小刻み様の歩行に変わり足が止まってしまう現象はこのメカニズムが関与していることが考えられます。

 

干渉モデル

 

干渉モデルは、歩行時に認知、情動に関する情報処理が課せられた際に認知的な歩行運動制御と競合が生じた際に生じるモデルです。

 

歩行時に重複課題が生じると、歩行と課題を同時に行うことができずにすくみ足が生じることが考えられます。

 

認知モデル

 

認知モデルは歩行中に速度や方向を切り替える必要が生じた際に意思決定を要求されると情報処理能力の低下により生じるものです。

 

歩行速度を調整したり、方向転換をする際にすくみ足が生じやすいのはこのモデルの関与が大きいと考えられます。

 

分離モデル

 

分離モデルは、歩行開始など認識している自己の意図と意識に登らない運動の準備と解離により生じるとするモデルです。

 

パーキンソン病では、中脳黒質緻緻密部のドーパミン神経が脱落変性した結果、大脳基底核からの抑制力が強まり、視床を介して大脳基底核と神経ネットワークを形成している補足運動野の機能低下しています。これにより内発的に随意運動を行う際の運動プログラムの生成が困難になり運動の準備と実行に解離が生じます。

 

パーキンソン病すくみ足の対策

 

 

すくみ足の対策方法を解説していきます。

 

  • 休憩を細かくとる
  • 重複課題を避ける
  • 外的刺激を利用する

 

順にみていきます。

 

休憩を細かくとる

 

閾値モデルから考えていくと、歩行時間、距離が増えるにしたがってすくみ足が出現しやすくなるケースに対しては、すくみ足が出現する前に休憩をとるように対策するのが良いです。

 

訓練としては、すくみ足が出ない範囲で歩行を重ねていき、徐々に運動量を増やしていく事ですくみ足が生じるまでの歩行時間、距離を伸ばしていきます。

 

重複課題を避ける

 

パーキンソン病の場合、情報処理能力の低下により重複課題を行うことが難しくなっています。重複課題によりすくみ足が出現しやすくなる事が考えられるため、すくみ足が出現する場合、重複課題が生じていないかチェックしておきましょう。

 

例えば、歩行訓練中に口頭で理解力を必要とする指示を出したり、周囲に注意が向きやすい状況で訓練を行っていないか。こういった状況で訓練をしている場合すくみ足を助長してしまっている可能性があります。

 

外的刺激を利用する

 

うまく外的刺激を利用しましょう。

 

パーキンソン病の場合、補足運動野の機能低下により内発的に随意運動を行う際の運動プログラムの生成が困難となっているため無動症状が生じる原因となっています。

 

外的刺激を利用して、パーキンソン病で障害される基底核や補足運動野といった内発性神経機構を介さずに、運動前野や小脳などの外発性随意運動の発現を促していく事で無動やすくみ足を生じにくくしていきます。

 

外的刺激には聴覚刺激、視覚刺激、体性感覚刺激を利用します。

 

具体的にはよくある例ですが、

  • リズムを示す音を利用しステップを誘導する。
  • 床に線を引いて、跨ぐ様に指示する。

 

といった方法があります。

 

パーキンソン病すくみ足の評価

 

 

歩行時間、距離の評価

 

どの程度の歩行時間、距離ですくみ足が出現するかみておきましょう。

 

チェックした上で歩行訓練の時間、距離の設定をしていきます。すくみ足以外の面に関するチェックも忘れず、疲労感やバイタルチェックもしてどの程度の訓練量が良いか検討していきましょう。

 

方向転換の評価

 

方向転換のチェック項目をリストアップします。

 

方向転換評価
  • 左右どちらが行いやすいか
  • 複合課題の有無によるチェック

 

方向転換をする際に、左右どちらが行いやすいかチェックしておきましょう。どちらか一方が行いやすいというケースも良くありますので、生活指導に活かすのも良いです。

 

複合課題の有無によるチェックも行っておきましょう。方向転換をする際に動作以外のところに注意が向いていないか、口頭指示の有無によって方向転換の行いやすさが変わるかどうかといった点を確認してより行いやすい方を選択するようにしていきます。

 

パーキンソン病すくみ足の治療アプローチ

 

 

すくみ足に対するアプローチの方法は様々ですが、僕なりに治療効果の高いと思うアプローチ方法をまとめておきます。

 

  • 下肢協調性障害の改善
  • 頸部、体幹、下肢筋のリラクゼーション

 

下肢協調性障害の改善

 

すくみ足の原因として、下肢の協調性障害との関連も報告されています。下肢の協調性障害の改善に対するアプローチとして、ハーフスクワットや歩行、エルゴメーターといった訓練を継続して協調性障害に対してのアプローチも有効と考えられます。

 

すくみ足が生じやすくなっている原因として、神経機構の問題と合わせて廃用症候群の要素も大きく関わっていることが考えられます。こういった運動療法を通して運動量を増やしていくことが大事です。

 

頸部、体幹筋、下肢筋のリラクゼーション

 

パーキンソン病の特徴として、頸部筋、体幹筋の緊張が高くなっており、可動性が低下している事があげられます。

 

こういった筋性の可動域制限により歩行や方向転換をする際に筋出力を発揮しにくくなっている事が考えられます。特に脊柱起立筋や頸部筋、股関節内転筋といった筋が硬くなっているケースが多く、これらの筋が硬くなっている事で方向転換時に必要な頸部、体幹の回旋、股関節の外転運動が阻害されます。

 

経験上ですが、こういった2次的な障害を和らげておくことによってすくみ足が軽減するケースがよくみられます。

 

パーキンソン病すくみ足に関する文献

 

 

まとめ

 

今回は、パーキンソン病のすくみ足に関して解説しました。

 

すくみ足に関する情報を調べましたが、まだ研究によって明らかになっていない事が多いようです。

 

すくみ足が生じる原因としてはパーキンソン症状の他にも、廃用症候群の影響も頻繁にみられますので、その辺りも考慮してアプローチしていく必要があると思います。

 

この記事がすくみ足に関する疑問、悩みがあった方の解決に少しでも役立つ記事となれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございます!