リアル臨床2017
リアル臨床は200人以上の理学療法士が参加し、日々の臨床での経験について発表し合う場で、発表だけでなくディスカッションも多く、初対面の人とたくさん交流することができる場です。
毎回、新しい刺激をもらって帰ってくることができる、とても楽しい場所です。
今回はたくさんある演題の中かから、ピラティス、内臓、自律神経といったテーマの発表を中心に参加してきました。
ピラティス×理学療法
ピラティスと理学療法の組み合わせは最近の流行りって感じですね。
ピラティスは、呼吸、コア、姿勢を大事にして、身体の可動域、柔軟性を改善して、楽に身体を動かすことができるように。といったような目的で運動療法として取り入れられています。
理学療法士は、その人の身体の特徴を評価し、その人に合った運動を提供することができることが強みなので、ピラティスのトレーナーさんとは違う視点で運動を提供することができます。
だから、ピラティスを学ぶことで、運動療法を武器にして理学療法を提供できます。
参加して感じたことは、臨床でやっている他動のストレッチがなくても、自動運動でのストレッチをしっかり行えば、可動域は改善できるということ。
ポイントは身体がプルプルするところまで運動をさせるということ。
例えば、ハムストリングスの短縮が見られている患者さんがいました。
ハムストリングスの短縮を改善し、立ち上がり動作時の体幹の前傾をしやすくさせたいって考えた時にどうするか。
マッサージでほぐすとか、SLRをしてストレッチするんじゃないんです。
自動運動をさせて、ハムスリングスの硬さを改善していくんです。
例えば、座位の状態からの場合。
骨盤が前傾位になるように、ASIS、PSISを触診して骨盤を誘導しながら体幹を前傾してもらう。
ある程度前傾をしたところで、ハムストリングスがパツパツになって張ってきます。
限界まで行って、そこで姿勢を保持するのに身体がプルプルしてきたら保持してもらう。時間は30秒程度できればいいんじゃないかと思います。
この運動をすることで、ハムストリングスの伸張とともに、腸腰筋の収縮運動になっているんです。
ってことは、普段やっている他動運動の時間を省くことができるんです。
その分、違う運動を患者さんに提供できる時間ができますね。
自動運動が難しい患者さんには、他動運動は必要ですが、自動運動が行える患者さんには、実際の運動を通して、柔軟性の改善かつ、筋出力アップを狙った運動を提供していきたいですね。
内臓×理学療法
内臓は大事だなーって思いながら、臨床はしているつもりでしたが、今回改めて、本当に!大事だなーと感じました。
内臓と筋肉は神経を通して、繋がっています。だから、内臓の緊張は筋肉に影響を与えるし、
逆に筋肉の緊張も内臓に影響を与えるんですね。
内臓と筋肉をつなぐ神経は個別に分かれているので、どの内臓とどの筋肉がつながっているのかを把握して、ここの筋肉が緊張しているということは、この内臓が緊張してるかもなーって仮定を立てることができるんです。
普段の臨床で姿勢を観察している時に、姿勢が崩れているのはここの筋肉が緊張している。それはここの筋力低下と可動域制限があるから、、、って筋肉と骨格にだけ視点を当てるのではなく、
もしかしたら、ここの内臓の疾患があるからかもしれないって視点があったら、視野が広がりますね。
内臓大事です!余裕が出てきたら、取り入れていきたいですね。
自律神経×理学療法
自分の中では、自律神経は新しかったです。
自律神経って聞いたら、交感神経と副交感神経を思い浮かべますね。
交感神経が緊張する時、副交感神経がリラックスする時に働く神経です。
自律神経は常にリズムを打って、働いています。そのリズムが早く打っている時が交感神経が優位に働いている時=自律神経が亢進している状態です。
リズムがゆっくり打っている時は、自律神経が緩んでいる状態です。
緊張している時って、筋肉も緊張しますよね。グーって力が入っている感じ。
安静時からグーって力が入っている患者さんていませんか?なんでこんなに力が入ってしまっているんだろう?特別痛みを訴えているわけでもないのに。って人いますよね。
もしかしたら、その方は自律神経が亢進しているかもしれません。
その場合、自律神経の乱れを整えてあげることで、筋緊張を落とすことができるんです。
自律神経の亢進している人の特徴、緩んでいる人の特徴を勉強して、自律神経のバランスを整えてあげる方向にアプローチしたら、改善できるものがあるかもしれません。
新しい場に出て、刺激をもらう。
今回、リアル臨床に参加したことで、また新しい刺激をもらうことができ、視野を広げることができました。
新人の頃は、自分の経験がない分、インプットできることが少ないですが、新しい場に出て、そこで出会った人たちに日頃の悩みを打ち明けてみると、新しい視点で解決方法をもらえると思います。
病院内だけの狭い視野で臨床を続けるより、外部に出てたくさん刺激をもらった方が格段に成長できます。
積極的に刺激をもらいに行動しましょう!