こんにちは、みよし(@yuyampt)です。
今回は、筋力評価に悩んでいる理学療法学生のあなたに筋力評価のポイントをまとめて紹介しますね^^
ちなみに僕は理学療法士6年目。
僕にも筋力評価の方法がよくわからず悩んでいる時期がありました。
「これで筋力評価ちゃんとできているのか?」って。
この記事では、筋力評価をより正確にできるようにするためのポイントをまとめます。
あんまり大きな範囲で書いてしまうと長くなってわかりにくくなると思うので、今回は股関節屈曲に絞って書きます。
徐々に他の関節運動についてもポイントを書いていきますね。
この記事を読んでいただければ、
[box class="blue_box" title="この記事から得られること"]
- 筋力評価のコツがわかる
- 代償動作が見抜けるようになる
- 筋力と活動面の関係がわかるようになる
[/box]
こんな事が得られる内容になっています。
それでは解説していきます。
股関節屈曲筋力評価の手順
1、オリエンテーションは簡単でOK
まずはオリエンテーションですね。
慣れてないとオリエンテーションって難しく考えてしまいがちですが、簡単でいいですよ。
「これから◯◯さんの力の具合を見させてもらいますね、よろしくお願いします!」
「◯◯さんの力の具合を見させてもらうことで◯◯さんが生活をしていく上で困る事がないかどうかチェックしていきます」
って感じで筋力評価の目的を伝えるとより良いですね!
簡単に伝えるだけで十分患者さんに伝わるので大丈夫ですよ^^
2、姿勢は背臥位または座位がいい
筋力評価をする時の姿勢は背臥位か座位が良いですね。
座位でうまく行えない場合は、背臥位の方が安定するので良いです。
より詳しく言うと、支持基底面が広がるのでバランスが取りやすくなって大きな筋力も必要なくなるので患者さんが楽に検査をする事ができるんです。
まずはこれから担当する患者さんがしっかり座位が保てる人なのか確認しておきましょ。
座位が余裕を持って取れない人なら背臥位を選ぶ。
座位で余裕があるなら座位で検査した方が代償動作は見やすいですよ。
3、運動の指示は端的に
実際に検査するときの運動指示は簡単で大丈夫です^^
「これから◯◯さんのももを上げる力がどれくらいあるかをみますね」
「まずは右足からお願いします」
右股関節屈曲をしてもらって、まずはMMT3(最終域での屈曲保持ができるか)を見ましょう。
最終域での保持ができたら次はMMT4、5の評価。
最終域まで屈曲できない場合は、MMT1、2の評価ですね。
MMT4、5の評価の場合
「次は、私が少し◯◯さんのももを上から押すので落ちないように踏ん張ってください」
どの程度の抵抗まで耐えられるか見てみてください。
ここで大事な視点を伝えておくと、『あなたがかけた抵抗はどの程度か?』『かけた抵抗分(〜kg)の筋力をその人は発揮することができる』という事を意識しておく事です。
難しいですよね。
簡単にいうと、筋力を見るときに「この程度の抵抗に耐えられるってことはこの人はこのくらいの動作はできそうだな」ってことを考えられるといいってことです。
MMT1、2を見る場合
MMT4、5の場合と逆のことをします。
抵抗をかけるのではなくて、『どれくらい補助をしてあげれば運動ができるのか』を意識してみるといいですよ。
あなたが補助をした分の筋力をつけてあげる治療をしてあげれば、その人はMMT3分の筋力を獲得できるってことですね。
ももを持ってあげて、補助をして運動ができるかどうか確認してみてください。
股関節屈曲筋力評価をする時に見ておきたい代償動作
動画でサクッとどうぞ↑所要時間は4分です。
正確な筋力評価をするときに大事なポイントとなる代償動作について簡単に解説しますね。
代償動作をみることがなぜ必要なのかというと、代償動作が見抜けないということは純粋な股関節屈曲筋力(腸腰筋)を見れていないことになります。
結果として腸腰筋が弱くて動作ができないのか、他の筋の影響なのかが正確に評価できていないので、治療をしても効果が出ないんですね。
治療の効果が得られるようにまずは評価をできるようにすることが大事なんです。
骨盤後傾
骨盤の後継は結構出やすいです。
骨盤後傾してしまうということは、腸腰筋の筋力が弱くて、腹筋で代償している状態です。
股関節屈曲するときに、骨盤が後ろに倒れていかないか見てみてください。
股関節外転・外旋
股関節はまっすぐ屈曲できているか見てみてください。
股関節が外転、外旋している場合も結構あります。
この場合は縫工筋や大腿筋膜張筋、大殿筋、中殿筋で代償している事が多いです。
そもそも股関節内旋制限があって外旋してしまうケースもあるので注意してくださいね。
外転、外旋する場合は、「まっすぐあげることはできますか?」と確認してできるか確認してみましょう。
体幹の後屈
体幹を後屈して、その反動を利用して股関節屈曲をするケースもありますね。
股関節屈曲をするときに体幹が後ろに倒れていないかもチェックしてみてください。
膝関節伸展
股関節屈曲をするときに膝が伸展してしまうケースもあります。
この場合は大腿直筋で代償してしまっています。
股関節屈曲するときに膝が伸びてきていないかもチェックしてみてください。
股関節屈曲筋力と活動面の関係
股関節屈曲筋力は日常生活でいうと、どんな場面に影響を与えるでしょう?
実に、様々な場面で使われますね。
全部あげていくときりがないので、ここでは主要なところをあげて紹介しますね。
立ち上がり動作
立ち上がり動作には、腸腰筋の筋力は大きく影響します。
体幹を前に倒していくときに、腸腰筋の筋力が弱いと股関節屈曲がうまくできず体幹を前屈する事ができません。
立ち上がり動作を見るときはまず、体幹が十分に前屈できるかみておくと良いですよ。
できない場合は、腸腰筋の筋力低下が一つの原因となる可能性があることを頭に入れておいてくださいね^^
歩行
歩行にも腸腰筋の筋力は影響します。
主には立脚後期から遊脚期にかけてです。
立脚後期で腸腰筋が十分に伸張されて、遊脚期に移る時にバネのように作用することで下肢の振り出しをスムーズに行うことを可能にします。
この時の腸腰筋の筋力は、そんなに強くなくても大丈夫です。
MMTでいうと3あれば十分。
患者さんが自分の足の重さを自力であげる分の腸腰筋筋力があれば歩行する時の筋力としては十分なわけです。
階段昇降
階段昇降時にも腸腰筋筋力は必要です。
階段をあげるときは、もも上げをしますよね。
あのときに腸腰筋筋力が必要になります。
この時も、股関節屈曲筋力はMMT3あれば十分です。
股関節屈曲に限った話ですが、自分で腿上げができるくらいの筋力があれば、階段昇降はできます。
動作をする時にどの程度の筋力が必要になりそうか考えておこう
こんな感じで、『動作をするときにどの程度の筋力が必要になりそうか?』と考えておくだけで、筋力評価をするときに動作との関連が見えるようになってきますよ。
はじめは難しいかもしれませんが、少し意識してみてくださいね^^
まとめ
今回は、理学療法士の学生さん向けに筋力評価をする時のポイントを紹介しました。
[box class="blue_box" title="ポイントまとめ"]
- オリエンテーションは簡単に
- 股関節屈曲の代償動作は骨盤後傾、股関節外転、外旋、体幹後屈、膝伸展
- まずはMMT3(最終域まであげられる)あるか
- MMT4、5はどの程度の抵抗に耐えられるのか
- MMT1、2はどの程度の補助が必要か
- 腸腰筋筋力は立ち上がり、歩行、階段昇降時にMMT3は必要
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こんなポイントを覚えてもらえると、実習で活かせると思いますので参考にしてみてくださいね^^
今回は以上になります!
最後まで読んで頂きありがとうございます!