理学療法

インナーマッスルトレーニングの基本と効果的に鍛える方法

三好 裕也

理学療法士・整体師・ピラティスインストラクター。藤沢市「Miyoshi整体サロン」代表。痛みやコリ、関節可動域改善が専門です^^ →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

こんにちは、理学療法士の三好です!今回はインナーマッスルについて。よく臨床で見かけるのは、代償動作が入ってしまっていて、インナーマッスルがうまく使えていないトレーニング。これではインナーマッスルが鍛えられず、アウターマッスルのトレーニングになってしまっています。インナーマッスルを効果的に鍛える方法を紹介していきますので、ぜひ臨床で生かしてみてください!

 

インナーマッスルとは

 

深層にある筋肉

 

その名の通りインナー(内側)を意味していて、幾重にも重なった筋肉構造のうち、人体の内側(骨に近い方)の見えない筋肉の事です。反対にアウター(外側)マッスルは外からでも見える、人体の浅い層の筋肉のことです。

 

インナーマッスルは赤筋(遅筋)、アウターマッスルは白筋(速筋)の割合が多いという特徴があります。

 

筋繊維は赤筋繊維と白筋繊維で分けることができます。

 

赤筋繊維、白筋繊維の違い

 

赤筋繊維は遅筋ともいい、働くのが遅い筋肉です。姿勢の維持や持続的な運動をするときよく使われます。疲れにくい筋肉です。

 

赤筋繊維の特徴

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  • 疲れにくい
  • 収縮速度が遅い

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白筋繊維の特徴

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  • 疲れやすく
  • 収縮速度が速い

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個別に筋肉を見ていくと、白筋繊維を多く含む筋肉、赤筋繊維を多く含む筋肉があって、その特徴を生かして身体を効率よく動かすことに貢献しています。

 

例えば、大腿直筋は?

 

白筋繊維を多く含みます。そのため瞬発的な筋力を発揮することに優れています。ヒラメ筋は赤筋繊維が比較的多いです。そのため、持久力を発揮することに優れています。

 

短距離ランナーでは、大腿直筋や腓腹筋が発達し、長距離ランナーでは、ヒラメ筋やインナーにある筋肉が発達しやすいと考えられます。

 

インナーマッスルの役割

 

インナーマッスルの役割まとめ

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  • 姿勢の維持
  • 持久力の保持
  • 関節の安定化

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姿勢の維持

 

インナーマッスルは、赤筋繊維であり疲れにくい筋肉です。そのため、持続的に姿勢を維持する際に働きます。姿勢を維持するためにはインナーマッスルの働きが不可欠になります。アウターマッスルで姿勢を長時間維持することは難しいです。すぐ疲れてしまうからです。

 

綺麗な姿勢を維持するためには、綺麗な姿勢を維持するためのインナーマッスルをよく使えるようにすることが大事になります。

 

持久力保持

 

長時間の歩行やジョギングを可能にするのも、インナーマッスルの役割です。

 

速筋繊維である大腿直筋や腓腹筋だけでは、すぐ疲れてしまい長時間の歩行やジョギングをすることができません。そこで、それよりも内側にあるヒラメ筋や中間広筋、腸腰筋を使って持久力を維持することが必要になります。

 

長時間の運動を可能にするためには、インナーマッスルを優位にして運動すること。そして、それらの筋肉を無意識にでも優位にして働かせることができるようにトレーニングすることが大事になります。

 

関節の安定化

 

インナーマッスルの形状は、短くて小さい傾向があります。アウターマッスルは大きくて、長い傾向があります。アウターマッスルは、長くて大きいので2つの関節をまたいでついているものが多いです。インナーマッスルは一つの関節に近いところにあります。

 

そのため、骨と骨を引きつけて、安定させる作用を持っています。インナーマッスルがしっかりと働くことで関節が安定して、本来の関節の機能を働かせることを可能にします。インナーマッスルがうまく機能しないと、関節が不安定になって、アウターマッスルが過剰に働いてしまい、関節に痛みが出たり、筋肉に痛みが出たりします。

 

関節を安定化、適合性をよくするためにインナーマッスルをうまく機能させることが大事になります。

 

インナーマッスルには、多くの役割があってインナーマッスルの重要性がなんとなくわかってきましたね。では、どうしたらうまくインナーマッスルを鍛えることができるのでしょうか?

 

インナーマッスルの鍛え方

 

インナーマッスルの特徴 復習

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  • 赤筋繊維、遅筋繊維である。
  • 疲れにくく、姿勢の保持に働きやすい。
  • 短く、小さい筋肉である。
  • 関節の近くについている。
  • 関節を安定させる作用がある。

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このような特徴があることをふまえて、トレーニングを考えていきましょう。

 

インナーマッスルトレーニングの基本

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  • 低負荷(アウターマッスルが過剰に働かない)
  • 関節の位置を保持させる(代償動作を出さない)
  • 少し疲れる程度の時間

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低負荷で行う

アウターマッスルが働かない程度の低負荷で行うのが基本。負荷が大きすぎてしまうとアウターマッスルが過剰に働き痛みの原因にも繋がります。

 

関節の位置を保持させる

 

近位の関節がしっかりと固定できているかを確認しましょう。

 

例えば、肩関節のインナーマッスルを鍛える場合、肩甲骨が動かないようにしっかり固定されている状態で行うのが基本です。肩甲骨が動いている状態でのエクササイズではインナーマッスルが効いていなくて関節が安定していない状態となっています。

 

腹横筋、大腰筋のトレーニング

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  • 仰向けに寝て、膝を立てる。
  • 股関節、膝関節が曲がった状態で足をあげてキープ。
  • できるだけ負担を減らしたいので膝は最後まで曲げて。
  • 肋骨が浮いてこないようにお腹を引き締めて。
  • 腰も反り返らないように姿勢を維持。
  • 少し疲れたら休む。
  • これを頻回に行う。

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大腰筋、腹横筋といったインナーマッスルが鍛えられます。インナーマッスルがしっかりと効いてくることでアウターマッスルである大腿直筋や腹直筋がスムーズに働くことができたり、負担が減って楽に働くことができるようになります。関節も安定します。

 

最後に

 

このようにインナーマッスルを鍛えてあげるメリットは多いです。ぜひ、あなたもインナーマッスルのトレーニングを取り入れてみてください。理学療法士の方は患者さんやクライアントさんのトレーニングにインナーマッスルを鍛えるトレーニングを取り入れて、関節の安定化、アウターマッスルの負担の軽減、疼痛治療、持久力アップに繋げてあげてはどうでしょうか。

 

お疲れ様でした!ぜひ、試してみてください!

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三好 裕也

理学療法士・整体師・ピラティスインストラクター。藤沢市「Miyoshi整体サロン」代表。痛みやコリ、関節可動域改善が専門です^^ →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

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