こんにちは、理学療法士・ピラティスインストラクターの三好です!今回は、筋肉の滑走不全についてです。滑走不全の改善をすることで関節可動域の改善、筋出力のアップが見られる事をよく経験します。滑走不全についてその改善方法まで紹介しますので、ぜひ臨床に生かしてみてください!
滑走不全とは
筋肉と筋肉、または筋肉とその隣接する組織が癒着していることによって滑りにくい状態になっている事です。
滑走不全はなぜ起こるのか
外傷後やOPE後に組織が修復される際に組織と組織が癒着を起こしてしまいます。損傷組織の炎症期、修復期に癒着が起こらないように疼痛の範囲内で組織を動かしてあげることが大事です。
滑走性が大事な理由
筋肉が個別に動けるように
滑走不全を改善する事で筋肉が個別に動けるようになります。
隣接する筋肉と癒着しくっついてしまっていると、筋肉が個別に動く事ができなくなるため、関節可動域制限の原因や関節運動のパフォーマンス低下に繋がります。
例えば、細いゴムを束ねて、違う方向に伸ばすときにゴムがくっついていたらうまく伸ばせません。1本1本が自由に動ける状態であれば違う方向でも楽に伸ばす事ができます。例えがわかりにくいかもしれませんが。こんなことが筋肉にもよく起こります。
滑走性を改善する方法
筋間の動きを出す
筋間の癒着を剥がしてあげるように行う事が大事です。
- マッサージ
- ストレッチ
- 関節運動
解剖学の知識、触診技術が大事
解剖学の知識がないと、的確に滑走性の低下している筋に対して治療が行えないので、結果が出にくくなります。そのために、解剖学の知識をつけるのは大事です。
隣り合う筋肉、筋肉の走行を把握しましょう。
大腿部でいうと、大腿直筋がどこから起始してどこに停止するか、縫工筋がどこからついて、どこに止まるか。縫工筋はどうやって走行しているか。薄筋はどこからついて、どこに止まるか。といったようなことが頭に入っていますか?そして、あげた筋肉を一つ一つ個別に起始から停止まで触診することができますか?起始から停止まで辿って触ることができますか?
滑走不全を改善するマッサージ
前脛骨筋と三角靱帯の癒着改善
足関節前面の筋肉の滑走性のチェック
大腿直筋の筋膜の繊維化、隣接組織との滑走性不全の改善
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- 大腿直筋の起始から停止まで触診して、大腿直筋の硬さをチェック。
- 左右差を確認。
- 硬さがあれば、筋膜の繊維化の可能性が高い。
- 大腿直筋内のどこが硬いのかも合わせて確認。
- 大腿直筋と内側広筋、外側広筋、縫工筋、大腿筋膜張筋の筋間の硬さをチェック。
- まずは筋膜に対して硬さのある部位を重点的に押圧。60秒-90秒はかけたい。筋膜リリースをするのであればこれくらいは必要と言われています。
- 筋間の癒着に関しては、隣り合ってる部分を触診。
- 筋繊維を持ち、線維に対して垂直に動かします。
- 筋肉がしっかり動くようになるまで行います。
- はじめは結構感覚をつかむのが難しいですが、何回もやっているうちにわかってきます。
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ストレッチ
ストレッチは時間が大事です。30秒以上かけてストレッチしましょう。
時間をしっかりかけないとストレッチの効果がありません。時間をかけないと筋肉の形状が変わらないんです。おすすめは10秒×3-5セットと分けて行う方法。
50秒を1セットとするよりも、10秒×5セットとしてストレッチしたほうが効果が高いと研究結果もあります。
滑走不全を改善する運動方法
筋肉を掴んだ状態で筋収縮運動を行います。
筋肉を掴んだ状態で、筋収縮を行う事で筋間の癒着がはがれやすくなります。そのため、マッサージと合わせて関節運動を行い、滑走性を改善していきましょう!
滑走不全の治療 まとめ
- マッサージは、筋肉を掴み、線維に対して垂直に動かす。
- 合わせて筋膜の繊維化が起きているケースが多いのでリリースも。
- ストレッチは10秒を3セットに分けて合計30秒がおすすめ。
- 関節運動は筋肉を掴んだまま、収縮させる。
- 筋の走行を覚えて、触診できるように。
- 筋1つ1つを分けて触れるように。
お疲れ様でした!ぜひ試してみてください!
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