こんにちは!理学療法士・ピラティスインストラクターの三好裕也です。
最近、AIの進化が目覚ましいですよね。僕たちの生活や仕事に、ものすごいスピードで変化が訪れています。情報収集の仕方も、コミュニケーションのあり方も、価値観そのものも、大きく変わろうとしているフェーズにあるな、と感じています。
今回は、僕自身が最近の体験を通して感じている「AI時代における働き方や価値」について、深く掘り下げてみたいと思います。特に、僕のような対人支援の仕事をしている人間にとって、これから何が重要になってくるのか、皆さんと一緒に考えていけたら嬉しいです。
AIは万能?情報収集のリアルと限界
正直なところ、AIってめちゃくちゃ便利ですよね。何か知りたいことがあれば、人に聞かなくてもAIに尋ねれば、論理的で整理された情報がすぐに手に入ります。
例えば、僕がピラティスのレッスンを受けていて、「この動きはどの筋肉に効いているんだろう?」「この器具を使うと、どうしてこの感覚が得やすいんだろう?」と疑問に思ったとします。もちろん、その場でインストラクターに聞くこともできます。でも、正直なところ、解剖学的な知識や身体のメカニズムに関して、僕自身(理学療法士として)の方が詳しいケースもあるんです。そうなると、インストラクターから期待するほど深い答えが返ってこないこともある。
そんな時、AIに聞いてみると、かなり専門的で深い情報まで示してくれることがあります。しかも、AI相手なら、自分が納得いくまで、遠慮なく質問を重ねて深掘りできますよね。対人だと、ちょっと聞きにくいな、と感じるような専門的な内容も、AI相手なら気兼ねなく探求できる。これは大きなメリットだと感じています。
情報収集という点においては、AIは非常に強力なツールです。人に聞く手間や時間を考えると、AIに頼る場面は今後ますます増えていくでしょう。
それでも「リアルな体験」がなくならない理由
じゃあ、情報は全部AIから得ればいいのか?というと、僕はそうは思いません。なぜなら、情報だけでは得られない、決定的に重要なものがあるからです。それは**「実体験」**です。
いくらAIが「この動きはここに効きますよ」と教えてくれても、実際に自分でその動きをやってみて、「あ、本当にこの感覚だ!」と感じなければ、その情報は腑に落ちません。頭で理解するのと、身体で感じるのとでは、天と地ほどの差があります。
AIに「こういうレッスンが良いですよ」と提案してもらうことはできても、実際にレッスンを受けて、汗を流し、身体の変化を感じるという体験は、AIでは決して代替できません。
さらに、リアルな場には、オンラインやAIでは再現できない要素がたくさんあります。
- 場の雰囲気、空気感: その場にいる人たちのエネルギーや集中力、一体感。
- 嗅覚: アロマの香りや、スタジオの匂い。
- 触覚: インストラクターによるアジャスト(身体へのタッチ)や、整体での施術。
特に、僕たちのような身体に直接関わる仕事においては、「触れること」の価値は計り知れません。オンラインでは伝わらない、手のぬくもりや圧、的確なサポート。これらは、クライアントの変化を促す上で非常に重要な要素です。
だからこそ、これからの時代は、オンラインでは提供できない「リアルな場」での体験価値を、より一層深めていく必要があると感じています。例えば、レッスンにアロマを取り入れて嗅覚にアプローチしたり、整体のように「触れること」を重視したサービスを追求したりすることは、非常に重要になってくるでしょう。
AIを超える「パーソナライズ」された専門性
もう一つ、AI時代に価値が高まるのは、「パーソナライズ」された専門性だと考えています。
AIは一般的な情報や、ある程度のパターンに基づいた提案は得意です。例えば、「腰痛の原因は?」と聞けば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった一般的な情報を教えてくれます。YouTubeにも、腰痛改善のストレッチ動画などは溢れていますよね。
でも、現実はそんなに単純ではありません。「YouTubeの動画を試したけど良くならなかった」「AIが言う原因に当てはまらない気がする」「病院でも原因不明と言われた」…そんなケースは山ほどあります。
なぜなら、一人ひとりの身体の状態、生活習慣、心の状態、そして抱えている問題は、まったく異なるからです。
ここに、僕たち専門家の価値があります。理学療法士や整体師、ピラティスインストラクターは、目の前のクライアントの身体を評価します。姿勢、動きの癖、筋肉の硬さ、関節の可動域、そして時には生活習慣や心理的な側面まで。その評価に基づいて、「あなたのこの腰痛の根本原因は、実は足首の硬さにあるかもしれませんね」「この動きのやりにくさは、呼吸の浅さが影響している可能性があります」といった、その人に合わせた仮説を立て、アプローチを提案します。
特に「触診」、つまり実際に身体に触れて状態を確認することは、AIには決して真似できません。触れることで初めてわかる、微妙な筋肉の緊張や関節のずれ、組織の質感があります。この**「触れて評価する能力」**は、僕たち人間の専門家が持つ、非常に大きな強みです。
これからは、単に情報を提供するだけでなく、一人ひとりの状況を深く理解し、評価し、その人に最適化された(パーソナライズされた)解決策や方向性を示せる専門家が、ますます求められるようになるでしょう。それは、身体のケアに限らず、人生のコーチングのような領域にも広がっていくと感じています。
僕自身も、今の自分の年齢、仕事、ライフスタイル、趣味などをトータルで見た上で、「今、何に取り組むべきか」「どんな方向性に進むのが良さそうか」といった、パーソナルなアドバイスをくれる存在がいたら嬉しいな、と思います。
AIとの賢い付き合い方:メンター、そして「分身」として
では、AIとどう付き合っていくのが良いのでしょうか?僕が考えているのは、AIを**「賢いアシスタント」であり、「メンター」であり、さらには「自分の分身」として活用していく**ことです。
1. AIを「メンター」にする
自分の状況(目標、悩み、日々の活動、アウトプットなど)をAIに詳しく伝え、学習させます。そして、目標達成のためのアドバイスをもらったり、自分のアウトプット(ブログ記事、動画など)に対するフィードバックをもらったりする。まるで、パーソナルコーチやメンターに相談するように、AIを活用するのです。これにより、客観的な視点や新しい気づきを得ることができます。
2. AIを「効率化ツール」として使いこなす
ボイスメモの書き起こし、ブログ記事の構成案作成、レッスンプログラムのアイデア出し、動画の要約作成など、AIが得意な作業はどんどん任せていく。これにより、自分はより本質的な、人間にしかできないクリエイティブな活動や、クライアントとの対面でのコミュニケーションに時間とエネルギーを集中できます。
3. AIを「自分の分身」として育てる
これは少し未来的な話かもしれませんが、自分の知識、経験、思考パターン、価値観などをAIにインプットし、**「自分オリジナルのAI」**を育てていく、というイメージです。そのAIに、自分の代わりにコンテンツ(ブログ記事、レッスン動画など)を作成してもらったり、アイデアを発展させてもらったりする。そうすることで、自分一人では生み出せなかったような、新しいアウトプットが生まれる可能性もあります。
まとめ:リアルとデジタルの融合、そして「自分軸」の大切さ
AIの進化は止まりません。これからの時代を生き抜くためには、AIを恐れるのではなく、その能力を理解し、賢く活用していく視点が不可欠です。
一方で、AIがどれだけ進化しても、リアルな体験から得られる感動や学び、人との温かい繋がり、そして五感を通して世界を感じることの価値は、決して失われないと信じています。むしろ、デジタル化が進むからこそ、その価値は相対的に高まっていくでしょう。
僕たち専門家にとっては、AIにはできない**「触れること」「深く評価すること」「パーソナライズされた提案をすること」**といったスキルを磨き続けることが、ますます重要になります。
そして、情報が溢れる時代だからこそ、**「自分は何を大切にしたいのか」「どんな価値を提供したいのか」という「自分軸」**をしっかりと持ち、AIや情報に振り回されるのではなく、主体的に未来を築いていく姿勢が求められます。
尊敬する人のパフォーマンスを直接見に行き、そのエネルギーを肌で感じ、学ぶ。リアルな場でしか得られない体験を大切にする。そして、AIという強力なツールをメンターやアシスタントとして活用し、自分の可能性を広げていく。
そんなふうに、リアルとデジタルをバランス良く融合させながら、自分らしい働き方、生き方を追求していきたいですね。
あなたにとって、AIはどんな存在ですか? これから、AIとどのように付き合っていきたいですか? ぜひ、聞かせてください。