理学療法

大腿四頭筋の筋間の癒着を改善する事で膝関節屈曲制限を改善する方法

三好 裕也

理学療法士・整体師・ピラティスインストラクター。藤沢市「Miyoshi整体サロン」代表。痛みやコリ、関節可動域改善が専門です^^ →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

こんにちは、三好です。1、2年目の頃は膝関節の評価・治療にかなり苦戦していた僕ですが、今では膝関節の評価、治療に関しては任せとけ!というくらい自信を持って臨床をしています。

 

昨日の臨床で、右の大腿骨頚部骨折をされて人工骨頭置換術のOPE後2週の方をフォローさせてもらったんですが、股関節屈曲100°と膝関節の屈曲制限100°で結構制限が残っていて、そこを改善させるために苦労していたようです。大腿四頭筋の短縮だけでなく、筋間の癒着を改善することによって可動域を改善する事が可能です。解説していきます。

 

大腿四頭筋の筋間の癒着を改善する方法

 

今回のケースの場合

 

まず、臥位でROMを確認。膝屈曲100°、股関節屈曲100°。で、膝屈曲の制限因子をみていくと、パテラの可動性は悪くて上下左右に動きにくい。屈曲最終域でパテラの上下のハリ感はなし。大腿直筋のハリ感はあり。縫工筋、大腿筋膜張筋のハリ感なし。

 

触診すると、大腿直筋がガチガチな状態。膨隆してるし、めちゃめちゃ硬い。股関節の制限の方は創部周囲も硬いし、内転筋、直筋の硬さが影響していそうな感じ。

 

と、なると、、、膝の制限に関しては大腿直筋の硬さ、短縮があってパテラの下方への滑りが悪くなって制限が生じているんじゃないかと仮定しました。ここまでこんな感じで評価を進めて、治療してみました。

 

大腿直筋のリリースをして、制限を確認してみたんですけどあんまり変わらない。そうすると、他に制限因子があるはずってことで直筋関連でどこが制限になっているかみてみました。

 

そこでみてみたのが、大腿直筋と内側広筋、外側広筋の関係です。関係っていうのは癒着していないかってことですね。筋と筋がくっついていると滑走性が悪くなって、制限になりやすくなるんですよね。直筋が伸びようとしているのに外側広筋にくっついちゃっててうまく伸びれなくなっているイメージ。

 

みてみたら、大腿直筋と外側広筋の境目がなくて、見分けがつかない状態。バッチリ癒着してましたw

 

屈曲制限を改善する方法

 

筋間の癒着を改善します。

 

筋と筋がくっついていると滑走性が悪くなって、制限になりやすくなるんです。二関節筋の直筋が伸びようとしているのに単関節筋の外側広筋にくっついちゃっててうまく伸びれなくなっているイメージです。くっついているものをとってあげると、伸び縮みがしやすくなって可動域も改善されちゃうってわけです。

 

癒着を剥がしてあげることで、可動域が改善される患者さんを多くみてきてるので間違いないです。筋間の癒着をはがすことはとても大事。滑走性をよくしてあげることで関節の動きが大きく変わります。スムーズに動かせるようになります。

 

治療方法

 

直筋と外側広筋の筋間を触診して、筋間をはがすようにグリグリほぐしていってあげるだけなので。ポイントは、大腿直筋と、外側広筋の走行をしっかりイメージして、大腿直筋側と、外側広筋側と分けてしっかりと押し込んであげるようにするってこと。

 

剥がれてくると、外側広筋はここから、大腿直筋はここからといったように境目がしっかりしてわかりやすくなります。そこまできたら癒着は剥がれてきた証拠です。そしたら膝の屈曲を再評価してみましょう。

 

スムーズに膝が曲がるようになって、患者さん自身がだいぶ楽に膝を動かせるようになったっていう感覚を感じてくれると思います。そこで、あんまり変わらないなっていう感覚だったらうまくはがせていない可能性が高いです。うまくはがせていると、確実に楽になる感覚があるので。

 

こういった形で今回実践したことで、可動域は屈曲100°から130°まで改善しました。癒着をはがすだけでこれだけ変わるものなんです。患者さん自身も膝が楽に動かせるようになった!っておっしゃっていましたし、歩行にも良い影響が出ていました。

 

膝の屈曲がスムーズに行えるようになったことで、歩行の振り出しの時にクリアランスがよく保てるようになって引きずりがちだった歩容が改善されました。癒着をはがすだけで、これだけ良い影響を与えることができるんですね。

 

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理学療法士・整体師・ピラティスインストラクター。藤沢市「Miyoshi整体サロン」代表。痛みやコリ、関節可動域改善が専門です^^ →さらに詳しいプロフィールはこちらをクリック

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